ノルマ:マリア・カラス
アダルジーザ:エベ・スティニャーニ
ポリオーネ:マリオ・デル・モナコ
オロヴェーゾ:ジュゼッペ・モデスティ
フラーヴィオ:アトス・チェザリーニ
クロティルデ:リナ・カヴァッラーリ
指揮:トゥリオ・セラフィン
ローマ・イタリア放送管弦楽団・合唱団
Rec. 1955 - 6.29
永竹由幸氏は下のように述べている。
カラスの演奏で最高な時は1955年だろう。このRAI放送録音とスカラ座のライヴ録音はまさに双璧の名演だ。この頃になると、歌い方がまたひと味違ってくる。ヴィスコンティと「椿姫」をやったことが、彼女のあらゆるオペラの役作りに影響してくる。そしてスカラ座のトレーナーたちに仕込まれて、彼女の欠点は完璧なまでに直されていく。歌詞で言えば、RAI録音は、ところどころ低音が胸に落ちてしまうし、若干の欠点はあるが、スカラ座の劇場録音より、放送録音だけにだんぜん音がいいし、また棒もスカラのヴォットより、セラフィンの方がだいぶましだ。唯一アダルジーザはスティニャーニよりスカラ座のシミオナートの方が良いが、全体的に見れば、このRAIの「ノルマ」がカラスの最高の「ノルマ」ではないだろうか・・・