Alexader Kipnis (89019)

196 views
Alexader Kipnis (89019)

ALEXANDER KIPNIS (1891 - 1978)

  1. Mozart - Die Entführung aus dem Serail: Wer ein Liebchen hat gefunden (1931)
  2. Mozart - Figaros Hochzeit: Süsse Rache (1931)
  3. Mozart - Don Juan: Schöne Donna (1930)
  4. Mozart - Die Zauberflöte: O Isis und Osiris (1930)
  5. Mozart - Die Zauberflöte: In diesen Heil’gen Hallen (1930)
  6. Rossini - Der Barbier von Sevilla: Die Verleumdung (1931)
  7. Weber - Der Freischütz: Hier im ird’schen Jammertal (1930)
  8. Flotow - Martha: Lasst mich euch fragen (1930)
  9. Lortzing - Der Wildschütz: Fünftausend Taler (1931)
  10. Nicolai - Die Lustigen Weiber von Windsor: Als Büblein klein (1931)
  11. Gounod - Faust: Ja, das Gold regiert die Welt (1930)
  12. Gounod - Faust: Scheinst zu schlafen du (1930)
  13. Verdi - Simon Bocanegra: Il lacerato spirito (1931)
  14. Verdi - Don Carlos: Sie hat mich nie geliebt (1930)
  15. Wagner - Die Meistersinger von Nürnberg: Das schöne Fest (1931)
  16. R.Strauss - Der Rosenkavalier: Herr Kavalier (1931)
  17. Russian folk song - Kalinka (1931)
  18. Russian folk song - Soldier's Song (1931)

With Berlin State Opera Orchestra conducted by Clemens Schmalstich (1930)
With Berlin State Opera Orchestra conducted by Erich Orthmann (1931)

2つの世界大戦の間にキャリアの頂点に達したロシアの著名なバス歌手、アレクサンドル • キプニスの芸術性は、彼の声の持ち味を技術的に完璧にコントロールすることにおいて際立っていた。すなわち、自分の思い描くがままにオルガンのような堂々とした暗い声を得るために必要なのは、音作りにおける一貫性であることが彼には分かっていたのである。特徴的なのは、ドラマティックな表現を持続させることができるパワフルな声の中に、無限の色のレンジがあるように見えることであった。その結果が、多くのオペラの役柄や幅広い歌のレパートリーに反映されていた彼の芸術的表現の多様性なのである。
柔らかに歌う驚くべき能力によって、ドラマチックな爆発と繊細な色調のパッセージをシームレスに結びつけることを可能にした。また、密かで謎めいた雰囲気が必要とされる場面でも効果を発揮した。加えて、彼の母国語の特徴である小声での言葉の扱いが決して散漫にならず、むしろ彼の並外れた声の魅力を高めた。

アレクサンダー・キプニスは1891年2月1日、ウクライナのジトーミルに生まれた。彼の声は子供のころから素晴らしかったのだが、指揮者になると決心してワルシャワ音楽院に入学し、同時に声楽も学んだ。1912年に優秀な成績で卒業した後は歌唱に専念し、ベルリンで エルンスト・グレンツェバッハに師事した。第一次世界大戦の初め、キプニスは敵国人として抑留された。にもかかわらず、1915年にハンブルク歌劇場にデビューすることができ、1916年にはヴィースバーデン宮廷劇場のメンバーとなった。1919年から1933年までのベルリンでのシーズンは、ドイツ・オペラハウス[1]とベルリン国立歌劇場[2]の両方で歌い、キプニスにとって芸術的な成長と成熟の期間となった。
アレクサンダー • キプニスは1929年6月26日、ウィーン国立歌劇場に初登場。「魔笛」のザラストロ役だった。この役で1936年にはグラインドボーンで、1937年にはトスカニーニ指揮のザルツブルク音楽祭で成功を勝ち取った。加えて、遅くとも1922年にはヨーロッパの主要な劇場にレギュラーゲストとして出演し、北米のドイツ歌劇団によるワーグナー公演に参加している。舞台やコンサートで大成功を収めた彼は、後に南米、ニュージーランド、そして1938年にはオーストラリアへ渡ることになった。

とりわけ、世界的な名声を確立したのは、ワーグナーの大役であった。1924年から32年までシカゴやロンドンのコヴェント・ガーデンでワーグナーを演じ、そしてパリでは1931年5月20日にマルケ王でデビューした。数ある役の中で、バイロイトでジークフリート・ワーグナーの下で歌った「パルジファル」のグルネマンツが疑いなく秀でていた。同様に重要な役としては、オックス[3]、ロッコ[4]、オスミン[5]、レポレッロ、メフィストフェレス[6]が挙げられる。1933年にナチスに侵攻された後、ウィーンに移り、1938年までシュターツオーパーのメンバーとして活躍した。そこでの彼の主要な役はワーグナーだったが、ラムフィス[7]でも賞賛された。グアルディアーノ神父[8]とレポレッロ、そして1936年12月16日に行われたヴェルディの新演出「ドン・カルロ」でのフィリップ国王の解釈も重要である。

1934年からアメリカ国籍を取得していたが、キプニスは比較的遅くメトロポリタン・オペラにデビューした(1940年1月6日、グルネマンツ)。1946年までメトロポリタン歌劇場のメンバーであった。マルケ王、アルケル(ペレアスとメリザンド)、ヘルマン(タンホイザー)、ハーゲン、フンディング、オックス、ザラストロ、ニラカンタ(ラクメ)、そして彼の極めつけボリス・ゴドゥノフなど多彩な役を演じた。アメリカでのキプニスの比類なき人気は、彼の広範なコンサート活動に基づいており、彼のリサイタルプログラムは、その教養と洗練されたセンスにおいて際立っていた。また、ニューヨークの音楽大学で教育者としても異例の成功を収めた。
[Stefan Zadejan]

[1] 1919年に「ドイツ・オペラハウス」として設立、1925年に「市立歌劇場」に改称。1934年に再び「ドイツ・オペラハウス」に改称され、1945年に「ベルリン市立歌劇場」となる。第二次世界大戦で崩壊し、1961年に新築され「ベルリン・ドイツ・オペラ」(Deutsche Oper Berlin) として再開し(西ドイツ)、後にベルリンの壁崩壊に至る。
[2] 開場は1742年まで遡る。途中、火災や戦争を経て1918年に「ウンター・デン・リンデン国立歌劇場」となる。1920年代にはフルトヴェングラー、E.クライバー、クレンペラー、ワルターらが指揮した。第二次世界大戦での破壊の後、1955年に再開され、東ドイツ側の歌劇場となる。2017年に大改修が完成した。ドイツ語名称:Staatsoper Unter den Linden
[3]「ばらの騎士」(シュトラウス)の レルヒェナウ男爵 Ochs
[4]「フィデリオ」(ベートーヴェン)の刑務所員 Rocco(マルツェリーネの父親)
[5]「後宮からの逃走」(モーツァルト)の Osmin
[6]「ファウスト」(グノー)の Mephistopheles
[7]「アイーダ」(ヴェルディ)の Ramfis (祭司長)
[8]「運命の力」(ヴェルディ)の Guardiano 神父

バス歌手にはどうしても余裕のある低音を期待したくなります。その指標となる曲はいくつかあると思いますが、このCDに収録されている「魔笛」と「ばらの騎士」もそのようなオペラの代表と思います。

Leave A Reply

*
*
* (公開されません)

Comment On Facebook