Tancredi Pasero I (89010)

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Tancredi Pasero I (89010)

TANCREDI PASERO (1893 - 1983)

  1. Rossini - Il Barbiere di Siviglia: La calunnia (1927)
  2. Bellini - La Sonnambula: Tu non sai con quei begli occhi (1928)
  3. Bellini - Norma: Ite sul colle, o Druidi (1927)
  4. Verdi - Ernani: Infelice, e tuo credevi (1927)
  5. Verdi - Il trovatore: Di due figli vivea, padre beato (1927)
  6. Verdi - Don Carlo: Ella giammai m'amò (1928)
  7. Verdi - La forza del destino: Non imprecare, umiliati (1929)
  8. Meyerbeer - Gli Ugonotti : Piff, paff! Dispera sen vada (1927)
  9. Gounod - Faust: Dio dell'or (1927)
  10. Gounod - Faust: "All'erta, all'erta" (1929)
  11. Thomas - Mignon: Leggiadre rondinelle (1928)
  12. Thomas - Mignon: Sofferto hai tu (1928)
  13. Thomas - Mignon: Del suo cor calmai le pene (1928)
  14. Ponchielli - La Gioconda: Si, morir ella de' (1928)
  15. Boito - Mefistofele: Ave Signor (1927)
  16. Boito - Mefistofele: Son lo spirito che nega (1927)
  17. Boito - Mefistofele: Ecco il mondo (1927)

co-starring - - - Bianca Scacciati 7 Francesco Merli 7 Gina Cigna 11 Paolo Civil 11 Giuseppina Zinetti 12, 13
With Orchestra conducted by Maestro Lorenzo Molajoli (except No.9)

タンクレディ • パゼロはかつての有名なバリトン歌手、 アルトゥーロ・ペッシーナ に声楽のトレーニングを受けている。1917年、生まれ故郷のトリノで「アイーダ」の国王ファラオでデビュー。その後も小さな役での出演が続き、1918年12月15日、ヴィンチェンツァで初の大役(ベッリーニの「夢遊病の女」のロドルフォ)を歌った。これが後にパゼロの音楽人生の出発点と見なされるようになる。その後まもなく、ミラノのスカラ座でこの役を繰り返し演じた。パゼロの長く輝かしい活躍の場は主にイタリアであった。

彼のメインの居場所はスカラ座であり、トスカニーニは彼を主役に起用した。ロンドンのコヴェント・ガーデンをはじめ、パリ、ブリュッセル、バルセロナ、ブエノスアイレス、ベルリン、ハンブルクなどではゲスト出演者として成功を収めた。1929年11月から1933年3月までメトロポリタン歌劇場に所属し、イタリアオペラのレパートリーの重要なバス役に出演する機会を得た。最も記憶されるべき功績は、「アイーダ」(ランフィス)、「トロヴァトーレ」、「ルイザ・ミラー」、「ラ・ジョコンダ」、「ノルマ」、「ラ・ボエーム」、「運命の力」、「ウィリアム・テル」、「ランメルモールのルチア」、「シモン・ボッカネグラ」、「ドン・ジョヴァンニ」(レポレッロ)などである。

メットへの登場は、驚くほど多くの輝かしい声に祝福された、幸運な時代と重なる。彼の共演者には、 エリーザベト・レートベルク (89051) 、 フランシス・アルダローザ・ポンセルルクレツィア・ボリカーリン・ブランツェル (89039, 89148)、 ベニャミーノ・ジーリジャコモ・ラウリ=ヴォルピ (89012, 89133)、 ジョヴァンニ・マルティネッリ (89062) 、 アウレリアーノ・ペルティーレ (89007, 89072, 89116) 、 ローレンス・ティベット (89576) そして ジュゼッペ・デ・ルカ (89036, 89073, 89135, 89560)などの伝説的な歌手が名を連ねていた。

1933年、マッジョ・ムジカーレ・フィオレンティーナで、 ローザ・ポンセル が主役を演じた スポンティーニの「ラ・ヴェスターレ」で大成功を収めた。パゼロはまた、夏のシーズンには アレーナ・ディ・ヴェローナにも頻繁に出演した。10年半以上の間にアレーナで披露されたレパートリーは、このアーティストの芸術的な幅の広さを明確に示している。
1933年には、マイヤーベーアの「ユグノー教徒」のマルセルを ジャコモ・ラウリ=ヴォルピ (89012, 89133)、 ローザ・ライサ と共演し、1935年には「ノルマ」のオロヴェーゾを ジーナ・チーニャフランチェスコ・メルリ と共演、1936年には「アイーダ」のランフィスを歌った 〔 マリア・カニーリャ (89131, 89667)、 ガッリアーノ・マジーニ (89154) と共演〕。1937年にはボーイトの「メフィストフェレ」でタイトルロールを、1938年には「ナブッコ」のザッカリア〔 エベ・スティニャーニ (89014)、 カルロ・タリアブーエ (89015, 89139) と共演〕、ドニゼッティの「ラ・ファヴォリータ」のバルダッサーレ、1939年にはグノーの「ファウスト」でメフィストフェレスを演じた。1948年にはドニゼッティ没後100周年記念コンサートで歌い、1950年にはワーグナーの「ワルキューレ」のヴォータン役でヴェローナでの最後の出演を果たした。パゼロの最も有名な役には、ロッシーニの「エジプトのモゼ」(Mosè in Egitto) の主役も含まれている。「ミニョン」のロターリオ、ザラストロ(魔笛)、ドン・バジリオ(セピリアの理髪師)、フィリッポ2世(ドン・カルロ)、ボリス・ゴドゥノフ、エスカミーリョ(カルメン)、それだけでなく以下のワーグナーの役 - - - 国王ハインリヒ(ローエングリン)、グルネマンツ(パルジファル)、マルケ王(トリスタンとイゾルデ)、ポークナー(ニュルンベルクのマイスタージンガー)、ハーゲン(神々の黄昏)も重要である。キャリアの最後の段階では、レパートリーの幅を広げ、ドラマチックなバリトンの役を演じるようになった。ヴェルディの「レクイエム」のバスのソロ・パートは、彼の最も印象的な実績の一つとされている。パゼロはいくつかのオペラの世界初演にも参加しており、その中には1935年にスカラ座で行われたマスカーニの「ネローネ」やフィレンツェで行われたピンゼッティの「オルセーロ」などがある。

タンクレディ • パゼロはイタリアのバスの原型と言われている。 ナッツァレーノ・デ・アンジェリス (89042, 89507) 、 エツィオ・ピンツァ (89050, 89085, 89132, 89660, 89707) と共に、彼はこの声域の最も有名な代表的な声楽家の一人である。彼の声は多くの録音(単発曲やオペラの全曲)により保存されている。その独特の美しさ、幅広い膨らみ、音色の素晴らしさから、多くの声楽専門家は、同じ声域のイタリア人歌手の中で最も精巧で洗練された楽器であると考えている。
[Clemens Höslinger]

すごいバス歌手です。深くて威厳があって、そして自然な声です。このCDにはバス歌手の有名なアリアが様々な作曲家のオペラの中から選ばれています。これを一枚聴けばバスのアリアのいいとこ取りを、しかもタンクレディ・パゼロの声で聴くことができます。フランス・オペラもイタリア語で歌唱していますが、母国語で歌うのは当時のお決まりですね。ドイツ語で歌うことを想像するとイタリア語は違和感などないも同然です。
グノーの「ファウスト」、ボーイトの「メフィストフェレ」・・バス歌手が悪魔や幽霊になったりするのは宿命ですね。1800年代のオペラ界はちょっとした悪魔ブームみたいなものがあったようです。「悪魔のロベール」、「ヴァンパイア」なんていうのもありますね。最近、数十年ぶりにこれらのオペラが復活上演されることがあるようです。バス歌手なら、悪魔ばかり歌うのはイヤだとも言っていられません。いかに悪魔になりきって聴衆を恐怖に陥れるかが、その声にかかっています。
個人的には心が高揚するようなヴェルディのオペラをもっと入れて欲しかったところですが、タンクレディ・パゼロはこのシリーズで3枚あるので、おそらくもっとヴェルディを聴くことができるでしょう。

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